ミコフェノール酸モフェチルが奏効した抗MDA5抗体陽性急速進行性間質性肺炎の1例
岩井 亜美 辻野 和之 山本 悠司 久下 朋輝 原 伶奈 木田 博
国立病院機構大阪刀根山医療センター呼吸器内科
症例は進行する呼吸不全を呈する75歳男性.抗MDA5抗体陽性間質性肺炎と診断しステロイド,タクロリムス(tacrolimus)の内服に加え経静脈シクロホスファミド(intravenous cyclophosphamide)を開始したが,静脈投与直後に酸素化不良を伴う発熱を繰り返し,同薬剤を中止した.代替薬にミコフェノール酸モフェチル(mycophenolate mofetil)を導入後,フェリチン,KL-6,SP-D等の病勢マーカーと呼吸状態は改善し,自宅退院が可能となった.同疾患に対するミコフェノール酸モフェチルの有効性・安全性は定まっておらず,過去文献のレビューを加え提示する.
間質性肺炎 抗MDA5抗体 皮膚筋炎 ミコフェノール酸モフェチル
Received 20 Nov 2019 / Accepted 8 Jan 2020
辻野 和之
〒560–8552 大阪府豊中市刀根山5–1–1
国立病院機構大阪刀根山医療センター呼吸器内科
日呼吸誌, 9(3): 205-210, 2020