著明な好中球増加を伴った急性サルコイドーシスの1例
中嶋 康貴 出村 芳樹 田畑 未央 多田 利彦 塩崎 晃平 赤井 雅也
福井赤十字病院呼吸器科
67歳男性.10日前からの発熱・全身倦怠感により近医を受診し,胸部CTで両側縦隔・肺門リンパ節の腫大を認め当院紹介となった.血液検査で,好中球優位の白血球増多,CRP・sIL-2Rの上昇を認めたが,ACEの上昇は認めなかった.感染症を疑う所見も認めなかった.外科的リンパ節・肺生検で,非乾酪性肉芽腫を確認し,急性サルコイドーシスと診断.ステロイド治療で,速やかに臨床所見は改善した.本例のような急性経過のサルコイドーシスの報告は少ないが,積極的精査で診断し,良好な臨床経過をたどった示唆に富む症例と考え報告する.
サルコイドーシス 急性サルコイドーシス 肉芽腫 末梢血好中球/リンパ球比率
Received 2 Jul 2019 / Accepted 25 Nov 2019
中嶋 康貴
〒918–8501 福井県福井市月見2–4–1
福井赤十字病院呼吸器科
日呼吸誌, 9(2): 132-136, 2020