
2次治療のニボルマブが長期奏効中である肺扁平上皮癌,胃癌の重複癌の1例
中村 祐太a 德永 裕一a 鎌田 紘輔a 竹野祐紀子b 梅木 健二b 門田 淳一b
a国家公務員共済組合連合会新別府病院呼吸器内科
b大分大学医学部呼吸器・感染症内科学講座
症例は76歳,男性.肺扁平上皮癌(cT4N3M1a,Stage ⅣA),早期胃癌の重複癌と診断し,1次治療としてカルボプラチン(carboplatin:CBDCA),ナブパクリタキセル(nab-paclitaxel:nab-PTX)を4コース施行し,部分奏効が得られた.治療終了1ヶ月後に肺癌が増大したため,2次治療としてニボルマブ(nivolumab)を開始した.肺癌,胃癌いずれも縮小し,治療効果は1年以上維持された.ニボルマブは多種の悪性腫瘍に適応があり,重複癌に同時奏効する可能性がある.
Received 1 Oct 2019 / Accepted 6 Jan 2020
德永 裕一
〒874–8538 大分県別府市大字鶴見3898
国家公務員共済組合連合会新別府病院呼吸器内科
日呼吸誌, 9(2): 113-117, 2020