比較的急速に出現し胸腔鏡下腫瘍摘出術を行った胸腔内胸壁型脂肪腫の1例
今泉 知里a 小高 倫生a 中野 千裕a 押尾 剛志a 高橋 啓b 松瀬 厚人a
a東邦大学医療センター大橋病院呼吸器内科
b同 病理診断科
症例は,19歳男性.検診で胸部異常陰影を指摘され,精査目的に当科を受診した.胸部単純X線写真で左下肺野に腫瘤影を認め,胸部造影CT検査で左横隔膜上に境界明瞭な長径約9cm大の造影効果に乏しい腫瘤性病変を認めた.胸部MRIでは,T1強調画像,T2強調画像ともに高信号を示し,内部に薄い隔壁様構造を認めた.入手できた過去の胸部単純X線検査から3年以内の経過で急速に発育しており,診断的治療目的に胸腔鏡下腫瘍摘出術が施行され,病理学的検査で胸腔内胸壁型脂肪腫と診断された.
Received 23 May 2019 / Accepted 27 Nov 2019
今泉 知里
〒153–8515 東京都目黒区大橋2–22–36
東邦大学医療センター大橋病院呼吸器内科
日呼吸誌, 9(2): 104-107, 2020