
前縦隔腫瘍として発症し急速に進行した骨髄性/natural killer性前駆細胞急性白血病の1例
髙橋 鴻志a 五十嵐 朗b 會田 康子a 岸 宏幸a 井上 純人b 渡辺 昌文b
a山形県立新庄病院内科
b山形大学医学部内科学第一(循環・呼吸・腎臓内科学)講座
症例は40代男性.前縦隔腫瘍の精査のため当院を受診した.確定診断前であったが呼吸状態が悪く,原発不明癌として化学療法を開始した.局所麻酔下の腫瘍生検では確定診断には至らなかった.腫瘍の縮小を認めていたが,末梢血液中に異型細胞が出現したため骨髄穿刺を行い,骨髄性/natural killer性前駆細胞急性白血病と診断された.寛解導入療法を行ったが敗血症と脳出血により永眠された.本疾患は縦隔に節外病変を作る希少な疾患である.縦隔腫瘍として呼吸器内科医が初診医になることが想定され,鑑別疾患の一つとして留意する必要がある.
前縦隔腫瘍 骨髄性/natural killer(NK)性前駆細胞急性白血病
Received 19 Mar 2019 / Accepted 6 Nov 2019
五十嵐 朗
〒990–9585 山形県山形市飯田西2–2–2
山形大学医学部内科学第一(循環・呼吸・腎臓内科学)講座
日呼吸誌, 9(2): 93-98, 2020