初回化学療法で一時寛解が得られた成人発症の神経芽細胞腫の1例
鈴木 貴人a,* 朝田 和博a 村松 彩b 鈴木 誠b 白井 敏博a
a静岡県立総合病院呼吸器内科
b同 病理診断科
*現所属:浜松医科大学医学部附属病院第二内科呼吸器内科
症例は67歳,男性.20XX年7月に胸部腫瘤影で当科紹介となった.胸部CTで右下葉と前縦隔に塊状影を認めた.CTガイド下肺生検の結果とLDH,NSE,尿中VMAの上昇より神経芽細胞腫と診断した.イホスファミド(ifosfamide:IFM),カルボプラチン(carboplatin:CBDCA),エトポシド(etoposide:VP-16)の併用療法(ICE療法)で著明な縮小を認めたが,1ヶ月で再発し,20XX+1年5月末に死亡となった.成人発症の神経芽細胞腫はきわめて稀で治療法は確立していないが,ICE療法は有効な化学療法の一つであると考えられた.
神経芽細胞腫 成人発症 イホスファミド カルボプラチン エトポシド
Received 31 Jul 2019 / Accepted 6 Nov 2019
鈴木 貴人
〒431–3192 静岡県浜松市東区半田山1–20–1
静岡県立総合病院呼吸器内科
日呼吸誌, 9(2): 88-92, 2020