柴苓湯投与後のEpstein-Barrウイルス再活性化を伴う間質性肺炎
福島県立医科大学会津医療センター感染症・呼吸器内科
症例は79歳の女性.めまいにて近医受診し,柴苓湯を処方された.その11日後から微熱・全身倦怠感が出現し,肝機能障害と胸部異常陰影を指摘された.CT上はびまん性のすりガラス陰影を認め,気管支肺胞洗浄液中の異型リンパ球の上昇,Epstein-Barr(EB)ウイルスDNA陽性,EBウイルス再活性化時に発現するBZLF-1(+),BRLF-1(+)が判明した.このためEBウイルス再活性化を伴った間質性肺炎と肝機能障害と診断した.EBウイルスの再活性化に漢方薬の影響が考えられた非常に貴重な症例である.
Received 10 Aug 2019 / Accepted 1 Nov 2019
斎藤 美和子
〒969–3492 福島県会津若松市河東町谷沢字前田21–2
福島県立医科大学会津医療センター感染症・呼吸器内科
日呼吸誌, 9(1): 57-60, 2020