対側肺に肺腺癌を伴った画像的に限局性であった肺胞蛋白症の1例
埼玉県立循環器・呼吸器病センター呼吸器内科
79歳,男性.胸部異常陰影を指摘され受診した.胸部CTにて右上葉に限局するすりガラス陰影と左下葉に33mm大の腫瘤影を認めた.右上葉の陰影は気管支肺胞洗浄液所見,経気管支肺生検,ならびに血清抗GM-CSF抗体陽性より自己免疫性肺胞蛋白症と診断した.また左下葉腫瘤は気管支鏡検査にて診断が得られず,外科的生検の結果肺腺癌と診断した.片側1葉内に限局する肺胞蛋白症の報告は稀であり,貴重な症例と考えた.文献的考察を加えて報告する.
Received 7 Aug 2019 / Accepted 8 Oct 2019
古部 暖
〒360–0197 埼玉県熊谷市板井1696
埼玉県立循環器・呼吸器病センター呼吸器内科
日呼吸誌, 9(1): 48-52, 2020