喀血を主訴に受診し,多発肺結節を呈した結節性リンパ組織過形成の1例
福谷衣里子a,* 浅野 周一a 加藤さや佳a 野田 和司b 龍華 祥雄a 大畑 賀央c
a独立行政法人地域医療機能推進機構中京病院呼吸器内科
bトヨタ記念病院呼吸器内科
c独立行政法人地域医療機能推進機構中京病院呼吸器外科
*現所属:名古屋大学医学部附属病院呼吸器内科
症例は56歳女性.分類不能膠原病として過去に治療歴がある.突然の喀血を認めたため受診し,CTで両肺に多発する結節影を認めた.気管支鏡検査で診断に至らず,胸腔鏡下肺生検を行い結節性リンパ組織過形成と診断した.結節性リンパ組織過形成は良性疾患とされているが喀血や多発結節を呈することは稀であるため,悪性疾患,特に粘膜関連リンパ組織リンパ腫との鑑別が問題となった.貴重な症例と考え文献的考察を加えて報告する.
結節性リンパ組織過形成 粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫 喀血 多発肺結節
Received 16 May 2019 / Accepted 7 Aug 2019
福谷 衣里子
〒457–8510 愛知県名古屋市南区三条1–1–10
名古屋大学医学部附属病院呼吸器内科
日呼吸誌, 8(6): 435-439, 2019