人工呼吸器回路を用いた100%酸素吸入法による肺動静脈奇形のシャント率測定法
瓜生 和靖 福田 彩乃 内海 太裕 粥川 貴文 坪内 和哉 原田 大志
独立行政法人地域医療機能推進機構九州病院呼吸器内科
症例は15歳,女性.健康診断の胸部単純X線検査で左下肺野の結節影を指摘され,精査にて肺動静脈奇形の診断となった.肺動静脈奇形のシャント率測定には100%酸素吸入法や肺血流シンチグラフィによる方法があるが,100%酸素吸入法の具体的方法を記載した文献はほとんど見受けられない.今回我々は人工呼吸器閉鎖回路を用いて100%酸素吸入法でのシャント率を測定した.その方法は,重症度や治療効果を定量的に評価するうえで簡便かつ有用である可能性が示唆された.
肺動静脈奇形 シャント率 100%酸素吸入法 肺血流シンチグラフィ 人工呼吸器回路
Received 24 Mar 2019 / Accepted 24 Jul 2019
瓜生 和靖
〒806‒8501 福岡県北九州市八幡西区岸の浦1‒8‒1
独立行政法人地域医療機能推進機構九州病院呼吸器内科
日呼吸誌, 8(6): 415-419, 2019