ヒトメタニューモウイルスによるびまん性急性感染性細気管支炎の1例
高野 賢治a 石黒 卓a 小澤 亮太a 小林 康人b 清水 禎彦b 高柳 昇a
a埼玉県立循環器・呼吸器病センター呼吸器内科
b同 病理診断科
症例は42歳女性.当センター受診の4日前から発熱,乾性咳嗽を認め前医で抗菌薬治療を開始したが,労作時の呼吸困難が出現したため当センターへ入院した.CTで両肺に広範な小葉中心性粒状影を認めた.臨床経過,画像所見,炎症所見などからびまん性急性感染性細気管支炎と診断した.抗菌薬治療と補液を行い改善した.各種の原因菌検索においても,鼻咽頭拭い液を用いたmultiplex PCRでヒトメタニューモウイルスのみが検出され,ヒトメタニューモウイルスによるびまん性急性感染性細気管支炎と診断した.
ヒトメタニューモウイルス びまん性急性感染性細気管支炎 原因菌 PCR 肺炎
Received 16 Jun 2019 / Accepted 3 Sep 2019
高野 賢治
〒360–0105 埼玉県熊谷市板井1696
埼玉県立循環器・呼吸器病センター呼吸器内科
日呼吸誌, 8(6): 401-404, 2019