本態性血小板血症があり,著明な肺胞出血を伴い急死したAeromonas肺炎の1例
糸魚川英之a 島 浩一郎a 小林 弘典b 佐藤 健太c 篠原 由佳a 山本 雅史a
a名古屋掖済会病院呼吸器内科
b名古屋大学医学部附属病院呼吸器内科
c常滑市民病院呼吸器内科
83歳の男性が,発熱,喀血を主訴に救急搬送された.両肺の出血をコントロールできず,来院約7時間後に死亡された.病理解剖で右中下葉を主とする大葉性肺炎の所見があり,肺内に著明な出血が認められ,血液・痰・組織培養よりAeromonas hydrophilaが検出された.出血性肺炎できわめて急速な進行を示す劇症型であった.来院時の血液検査より本態性血小板血症が疑われた.本態性血小板血症にA. hydrophilaによる肺炎を併発して著明な肺胞出血をきたした症例は稀であり,若干の文献的考察を加えて報告する.
Aeromonas hydrophila 肺炎 喀血 肺胞出血 本態性血小板血症
Received 26 Feb 2019 / Accepted 23 Aug 2019
糸魚川 英之
〒454–8502 愛知県名古屋市中川区松年町4–66
名古屋掖済会病院呼吸器内科
日呼吸誌, 8(6): 396-400, 2019