脊柱管内へのダンベル型進展を呈したIgG4関連縦隔腫瘍の1例
保坂 到a 田中 明彦a 櫻庭 幹a 山崎 洋a 牧田 啓史b 深澤雄一郎b
a市立札幌病院呼吸器外科
b同 病理診断科
62歳女性.経過観察中の後縦隔腫瘍が増大傾向のため当科に紹介された.胸部造影CT検査にて,胸腔から脊柱管内へ進展するダンベル型腫瘍を認めた.PET-CT検査では,同腫瘍と両側頸部リンパ節に集積を認めた.神経原性腫瘍が疑われ,脊髄圧迫の可能性から手術を施行した.病理組織検査ではIgG4陽性形質細胞を認めた.後日施行した頸部リンパ節生検でも同様の所見であり,また追加した血液検査でIgG4値の上昇を認めたため,IgG4関連疾患と診断した.今回,本疾患が縦隔ダンベル型腫瘍の形態を呈した稀な症例を経験した.
Received 24 Feb 2019 / Accepted 14 May 2019
田中 明彦
〒060–8604 北海道札幌市中央区北11条西13–1–1
市立札幌病院呼吸器外科
日呼吸誌, 8(5): 332-335, 2019