巨大な単発腫瘤を呈した限局性悪性胸膜中皮腫の1例
山田 朋子a 関谷 充晃a,b 塩田 智美a 徐 仁美a 田辺 悠記a 高橋 和久a
a順天堂大学医学部呼吸器内科
b埼玉県済生会川口総合病院呼吸器内科
症例は70歳男性.健診で右下肺野の腫瘤影を指摘され,当科を紹介受診.胸部造影CTで右下葉に接する8cm大の肺外腫瘍を認め,限局性であることから胸膜腫瘍・右下葉部分切除術を施行した.Hematoxylin-eosin(HE)染色では乳頭状,管腔状構造を示す悪性腫瘍で,免疫染色でcalretinin,D2-40,mesothelinが陽性,CEA,TTF-1が陰性より上皮型の悪性胸膜中皮腫と診断した.再発し,化学療法を行うも死亡された.限局性悪性胸膜中皮腫は稀な疾患であり報告する.
Received 16 Apr 2019 / Accepted 28 May 2019
山田 朋子
〒113–8421 東京都文京区本郷2–1–1
順天堂大学医学部呼吸器内科
日呼吸誌, 8(5): 317-321, 2019