ペムブロリズマブ単回投与後に甲状腺障害をきたし半年後に下垂体障害を発症した1例
NTT東日本札幌病院呼吸器内科
66歳男性.右肺尖部肺腺癌にて化学放射線治療施行後,ペムブロリズマブ(pembrolizumab)初回投与2週間後に甲状腺中毒症をきたした.その後甲状腺機能低下症となり,レボチロキシン(levothyroxine)内服を開始,ペムブロリズマブは中止のままとしていたが,半年後に下垂体障害を発症した.免疫チェックポイント阻害薬による下垂体障害発症までの期間は中央値5ヶ月という報告はあるが,投与継続中がほとんどであり,本症例は1回のみの投与から半年後に発症した.最終投与から期間をおいて発症することもあり,注意が必要である.
免疫チェックポイント阻害薬 肺癌 免疫関連有害事象 下垂体障害 甲状腺機能低下症
Received 4 Mar 2019 / Accepted 15 May 2019
橋本 みどり
〒060–0061 北海道札幌市中央区南1条西15丁目
NTT東日本札幌病院呼吸器内科
日呼吸誌, 8(5): 307-311, 2019