X線写真が炭酸ランタン水和物チュアブル錠の誤嚥の診断に有用であった1例
大久保初美* 髙木 雄基 田村 智宏 山口昭三郎 橋本 幾太 鏑木 孝之
茨城県立中央病院・茨城県地域がんセンター呼吸器センター
*現所属:北茨城市民病院内科
維持透析中の88歳男性.腰椎圧迫骨折で入院中,活気低下,CRP上昇の精査目的に施行したX線写真で左主気管支,腸管内に円形の高吸収像を認めた.病歴より,炭酸ランタン水和物(lanthanum carbonate hydrate)を内服しており,同剤を咀嚼せずに内服し,誤嚥したと疑った.気管支鏡検査を施行し,左主気管支に同剤を確認し回収した.リン吸着薬である炭酸ランタン水和物チュアブル錠は噛み砕いて内服する.同剤は溶解せず,体内に吸収されない.また,X線写真ではヨウ素やバリウムと同等の高吸収像を示すため,X線写真が本剤の誤嚥の診断に有用であった.
Received 4 Oct 2018 / Accepted 10 May 2019
大久保 初美
〒309–1793 茨城県笠間市鯉淵6528
茨城県立中央病院・茨城県地域がんセンター呼吸器センター
現所属:北茨城市民病院内科
日呼吸誌, 8(4): 302-305, 2019