FDG高集積を呈したため,合併した肺癌との鑑別に苦慮した器質化肺炎の1例
磯山 正子 濵井 宏介 棚橋 弘貴 上野沙弥香 谷本 琢也 石川 暢久
県立広島病院呼吸器内科
症例は50歳男性,胸部単純CTで左上葉腫瘤影,多発縦隔リンパ節腫大を指摘され,18F-fluorodeoxyglucose positron emission tomography(FDG-PET)では同部位に集積を認めた.FDGの高集積を認めた左上葉腫瘤に対して,気管支鏡検査ならびにCT透視下肺生検を施行したが病理診断はいずれも器質化肺炎であった.しかし,臨床的に肺癌の可能性を強く疑い,胸腔鏡下縦隔リンパ節生検を施行したところ肺腺癌と診断し,肺癌に器質化肺炎を合併した病態であったと推察した.
肺癌 18F-fluorodeoxyglucose positron emission tomography(FDG-PET) 器質化肺炎
Received 19 Oct 2018 / Accepted 6 Mar 2019
濵井 宏介
〒734–8530 広島県広島市南区宇品神田1–5–54
県立広島病院呼吸器内科
日呼吸誌, 8(4): 298-301, 2019