低酸素血症の増悪をみたplatypnea-orthodeoxia症候群の1例
清水 一範 野田 成美 田村香菜子 西田 拓司 森下 裕 松岡 洋人
大阪はびきの医療センター
症例は82歳女性,低酸素血症にて在宅酸素療法中であったが,坐位,立位でのSpO2低下が増悪した.SpO2は臥位で改善することがわかりplatypnea-orthodeoxia 症候群(POS)と診断された.心血管造影検査で卵円孔開存と右左シャントを認めた.POSの原因としては加齢による脊柱後弯で右左シャント血流が増加する機序が推測された.経皮的卵円孔閉鎖術が施行され低酸素血症の改善を認めた.高齢者の原因不明の低酸素血症を認めた場合には体位によるSpO2の変動に留意すべきである.
Platypnea-orthodeoxia症候群 卵円孔開存 高齢者 脊柱後弯
Received 3 Dec 2018 / Accepted 10 May 2019
清水 一範
〒583–8588 大阪府羽曳野市はびきの3–7–1
大阪はびきの医療センター
日呼吸誌, 8(4): 293-297, 2019