特発性肺線維症に合併した難治性気胸に対し血液凝固第ⅩⅢ因子製剤が奏効した1例
関谷 宗之a,b 笠木 聡a 太田 春彦a 高澤 聖子a 本間 栄b 吉村 邦彦a
a三井記念病院呼吸器内科
b東邦大学医療センター大森病院呼吸器内科
症例は77歳男性.特発性肺線維症と反復性の続発性気胸で入退院を繰り返し,胸腔ドレナージと自己血胸膜癒着療法により一時的な改善を得て,長期酸素療法導入のうえ経過観察されていた.4回目の気胸では,胸腔ドレナージと自己血胸膜癒着療法では奏効せず,血液凝固第ⅩⅢ因子活性が低値であったため,第ⅩⅢ因子製剤を投与したところ,軽快し退院となった.間質性肺炎に合併した難治性気胸の症例において,血液凝固第ⅩⅢ因子製剤の投与は有効な治療法になりうると考えられた.
間質性肺炎 特発性肺線維症 難治性気胸 自己血胸膜癒着療法 血液凝固第ⅩⅢ因子
Received 6 Dec 2018 / Accepted 6 Mar 2019
関谷 宗之
〒143–8541 東京都大田区大森西6–11–1
三井記念病院呼吸器内科
日呼吸誌, 8(4): 269-272, 2019