無治療で軽快した抗EJ抗体陽性間質性肺炎の1例
稲垣 雄士a 杉本 親寿a,b 新井 徹a,b 笠井 孝彦b,c 安部 祐子a 井上 義一a,b
a国立病院機構近畿中央呼吸器センター内科
b同 臨床研究センター
c同 臨床検査科
症例は62歳女性.胸部単純X線写真で間質性肺炎が疑われ,当科紹介となった.筋症状,皮膚症状を認めず,抗EJ抗体が陽性で,胸部HRCTで両側下葉に浸潤影,すりガラス陰影を認めた.外科的肺生検を行い,organizing pneumonia成分を伴うfibrotic nonspecific interstitial pneumoniaの所見を認めた.症状が軽微なため無治療経過観察を行い,胸部陰影と血液検査値は改善した.抗EJ抗体陽性の間質性肺炎では慎重な無治療経過観察も選択肢の一つと考えられた.
Received 8 Dec 2018 / Accepted 11 Mar 2019
井上 義一
〒591–8555 大阪府堺市北区長曽根町1180
国立病院機構近畿中央呼吸器センター内科
日呼吸誌, 8(4): 255-258, 2019