膿胸掻爬術を施行したPropionibacterium acnes膿胸の1例
高原 豊 松浦 早季 山村 孝一 佐久間貴士 西木 一哲 水野 史朗
金沢医科大学病院呼吸器内科
31歳女性.高次脳機能障害のため在宅療養中であった.20XX年7月より発熱を認め近医を受診.胸部単純X線写真で左胸水貯留を認め当院へ紹介入院となった.膿胸と診断し抗菌薬治療と胸腔ドレナージが行われたが,有効なドレナージが得られず膿胸掻爬術が行われ,その後改善した.Propionibacterium acnesが胸水,掻爬胸膜より分離されP. acnes膿胸と診断した.過去のP. acnesによる膿胸の報告は全例免疫不全を伴っており,本症例のように基礎に免疫不全を伴わないP. acnes膿胸は非常に稀と考えられ報告する.
Received 18 Jan 2019 / Accepted 7 May 2019
高原 豊
〒920–0293 石川県河北郡内灘町大学1–1
金沢医科大学病院呼吸器内科
日呼吸誌, 8(4): 250-254, 2019