急速な経過をたどったB型インフルエンザウイルス感染に伴う血球貪食症候群の1剖検例
市立函館病院呼吸器内科
*現所属:市立室蘭総合病院呼吸器内科
症例は46歳,男性.咽頭痛,咳嗽,発熱で近医を受診し,インフルエンザ迅速診断キットでB型陽性となり抗インフルエンザ薬を処方された.翌日に呼吸困難を認め他院を受診し,胸部X線写真および胸部CTで肺炎を指摘され当院搬送となった.インフルエンザ肺炎と診断し入院治療したが,多臓器不全が進行し30時間後に死亡した.病理解剖でインフルエンザ感染に続発した血球貪食症候群の存在が明らかとなった.B型インフルエンザウイルス感染による血球貪食症候群は稀であるが,健常者でも致死的転帰となりうるため注意すべきである.
Received 19 Dec 2018 / Accepted 28 Mar 2019
柳 昌弘
〒041–8680 北海道函館市港町1–10–1
市立函館病院呼吸器内科
現所属:市立室蘭総合病院呼吸器内科
日呼吸誌, 8(4): 240-244, 2019