膿胸を合併した腹腔鏡下胆嚢摘出術後の遺残胆石による横隔膜下膿瘍の1例
赤澤 奈々a,* 森岡 悠b 山下 有己a 櫻井 孟a 高田 和外a 小島 英嗣a
a小牧市民病院呼吸器内科
b名古屋大学医学部附属病院中央感染制御部
*現所属:静岡県立静岡がんセンター感染症内科
81歳,男性.胆石症に対して20XX-4年に腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行されていた.20XX年5月,右側腹部痛を主訴に当院救急外来を受診した際,CTで右横隔膜下に石灰化病変を含む膿瘍と少量の右胸水を認めた.入院第5病日に右胸水が増加し,膿胸と診断された.最終的に遺残胆石による横隔膜下膿瘍と膿胸の合併と診断され,胸腹部とも手術を要した.遺残胆石による腹腔内膿瘍は,稀ながら膿胸も合併し得る重篤な術後合併症であり,原則的に手術を要する.早期診断・治療のために診療科間の横断的な情報共有が重要である.
Received 18 Jan 2019 / Accepted 11 Mar 2019
赤澤 奈々
〒485–0046 愛知県小牧市常普請1–20
小牧市民病院呼吸器内科
現所属:静岡県立静岡がんセンター感染症内科
日呼吸誌, 8(4): 235-239, 2019