COPD患者に対するSABAアシストユースの効果はLABAの有無により異なる
狩野 裕久a,b 白木 晶b 安藤 守秀b 野田 純也b 堀 翔b 加賀城美智子b 中島 治典b 安部 崇b 進藤 丈b
a岡山大学病院呼吸器・アレルギー内科
b大垣市民病院呼吸器内科
COPD患者での短時間作用性β2刺激薬(SABA)アシストユースが労作時呼吸困難の改善に有用と報告されている.本研究の目的は定期吸入薬の違いによるアシストユースの効果を検証することである.2013年9月から2015年1月にCOPD患者72人にSABAアシストユース前後で漸増シャトルウォーキングテスト(ISWT)を行い,運動耐容能を評価した.長時間作用性抗コリン薬(LAMA)群では歩行距離の差が14.4±9.3mであったが,長時間作用性β2刺激薬(LABA)群では4.1±6.4mであり,運動耐容能改善に乏しい傾向にあった.定期吸入薬の違いでSABAアシストユースの効果に違いがある可能性がある.
慢性閉塞性肺疾患 短時間作用性β2刺激薬 アシストユース インダカテロール 漸増シャトルウォーキングテスト
Received 14 Dec 2018 / Accepted 08 Apr 2019
狩野 裕久
〒700–8558 岡山県岡山市北区鹿田町2–5–1
岡山大学病院呼吸器・アレルギー内科
日呼吸誌, 8(4): 229-234, 2019