両側低位気管支と右横隔膜下胃泡で診断し得た孤立性左胸心を伴う左側相同の1例
山本 悠司 大谷 安司 岡部 福子 米田 翠 森村 治 阿部 欣也
市立豊中病院内科
症例は19歳,男性.自覚症状はなかったが,胸部X線写真で縦隔の異常陰影を指摘され当院を受診した.胸腹部造影CTで下大静脈は欠損して半奇静脈へ結合し,奇静脈系は拡張し上大静脈へ結合していた.肺は両側二分葉で気管支は両側低位だが,心臓は正常であった.腹腔内臓器は肝臓を含めすべて逆位で多脾症を合併していた.以上より孤立性左胸心を伴う左側相同と診断した.血行動態に破綻がない,孤立性左胸心を伴う無症候性の内臓錯位は珍しい.その管理についての考察も含め報告する.
Received 29 Oct 2018 / Accepted 15 Jan 2019
山本 悠司
〒560–8565 大阪府豊中市柴原町4–14–1
市立豊中病院内科
日呼吸誌, 8(3): 224-228, 2019