臥位での検査が診断に有効だった神経痛性筋萎縮症による両側横隔神経麻痺の1例
曽我美佑介 大越 広貴 星野 佑貴 渡邉 一孝 石原 裕 久木山清貴
山梨大学医学部循環器・呼吸器内科
症例は69歳男性.両上肢から頸部の痛みを自覚し,その後起坐呼吸を呈し当科紹介となった.臥位でのみ出現する奇異呼吸や胸部X線写真での両側横隔膜の不動,さらに臥位でのみ陽性となるsniff testなどから両側横隔神経麻痺と診断した.その後両上肢から頸部の痛みが先行したことや翼状肩甲の存在から原疾患が神経痛性筋萎縮症であると判明した.両側横隔神経麻痺の場合同じ検査でも立位や坐位に比べ臥位で施行する方が,所見が陽性化または顕著化することがあり有効であると考えられた.
Received 22 Oct 2018 / Accepted 21 Feb 2019
石原 裕
〒409–3898 山梨県中央市下河東1110
山梨大学医学部循環器・呼吸器内科
日呼吸誌, 8(3): 220-223, 2019