大量喀血を生じたBacillus cereusによる壊死性出血性肺炎の1剖検例
加賀城美智子 安藤 守秀 白木 晶 中島 治典 野田 純也 谷村 真依
大垣市民病院呼吸器内科
67歳男性.小細胞肺癌に対するアムルビシン(amrubicin:AMR)単剤療法14日目に発熱,右側胸部痛,喀血を主訴に救急外来を受診した.呼吸不全とショックバイタルを呈し,好中球減少および右肺浸潤影を認めた.喀血のため左片肺挿管下に全身管理を行うも同日死亡した.剖検で両肺の広範な壊死所見とグラム陽性桿菌の増殖を認め,血液培養からBacillus cereusが検出され,同菌による壊死性出血性肺炎と診断した.B. cereusは重篤な感染症を引き起こすため化学療法中の好中球減少時には注意すべき起炎菌である.
Received 31 Oct 2018 / Accepted 26 Feb 2019
加賀城 美智子
〒503–8502 岐阜県大垣市南頬町4–86
大垣市民病院呼吸器内科
日呼吸誌, 8(3): 183-187, 2019