長期経過のクローン病に肺病変を併発した1例
積山慧美里a,c 松島 秀和a 赤坂 圭一a 天野 雅子a 武村 民子b 桑野 和善c
aさいたま赤十字病院呼吸器内科
b日本赤十字社医療センター病理部
c東京慈恵会医科大学附属病院呼吸器内科
症例は52歳女性.20XX年にクローン病を発病し,治療抵抗性のため病勢は不安定であった.20XX+4年右下葉肺癌,20XX+13年左上葉肺癌に対し手術が施行された.胸部画像所見上,背景肺および気道に異常を認めなかったが,どちらの手術標本にも細気管支・肺胞腔内に多数の類上皮細胞肉芽腫を認めた.クローン病に伴う気管支および肺の類上皮細胞肉芽腫の報告は存在するが,稀である.本症例はクローン病における潜在的な類上皮細胞肉芽腫と考えられ,貴重な症例であると思われ報告する.
Received 18 Sep 2018 / Accepted 25 Dec 2018
積山 慧美里
〒338–8553 埼玉県さいたま市中央区新都心1–5
さいたま赤十字病院呼吸器内科
日呼吸誌, 8(2): 147-150, 2019