傍大動脈リンパ節穿刺NBCAエチオドールリンパ管造影で治療した乳び胸の1例
谷 恵利子a 岩井 亜美a 佐藤 一郎a 桑原 学a 南 謙一a 狩谷 秀治b
a医療法人藤井会石切生喜病院呼吸器センター呼吸器内科
b関西医科大学附属枚方病院血管造影IVR科
95歳,女性.乳び胸と診断.さらに腹部造影CTにて左腎癌と傍大動脈リンパ節腫大を認めた.保存的治療は奏効せず.第6病日,エチオドール(ethiodol)の塞栓効果を期待し治療的リンパ管造影を施行したが,腫大した腸骨,傍大動脈リンパ節にエチオドールが集積し胸部まで到達できず,治療効果も乏しかった.第35病日,腫大した傍大動脈リンパ節をCTガイド下に穿刺し,リンパ管を造影したうえで,エチオドールで120倍に希釈したn-butyl cyanoacrylate溶液を注入した.胸水の増加なく,自宅退院となった.
乳び胸 リンパ管造影 N-butyl cyanoacrylate (NBCA) エチオドール 上行性リンパ節塞栓
Received 28 Jun 2018 / Accepted 28 Nov 2018
谷 恵利子
〒579–8026 大阪府東大阪市弥生町18–28
医療法人藤井会石切生喜病院呼吸器センター呼吸器内科
日呼吸誌, 8(2): 133-137, 2019