メトトレキサート肺炎/関連リンパ増殖性疾患を同時発症した関節リウマチの1例
後町 杏子a 赤川志のぶa 益田 公彦a 中村 澄江a 新福 響太a 蛇澤 晶b
a独立行政法人国立病院機構東京病院呼吸器センター
b同 臨床検査科
関節リウマチで4年前よりメトトレキサート(MTX)治療中の69歳男性が発熱,息切れで入院.胸部CTでびまん性粟粒影と胸膜直下に散在する結節影,TBLBで肺胞腔内器質化と肉芽腫を認め,MTX肺炎と診断.耳下腺腫大,咽頭腫瘤あり,咽頭生検でEBER-1陽性の大型細胞が混じるポリクローナルなリンパ球系細胞の浸潤を認め,リンパ増殖性疾患(LPD)を疑った.MTX中止のみで両病変とも改善した.異なる病態とされるMTX肺炎とMTX-LPDの稀な同時発症例であり,発症機序の解明が待たれる.
メトトレキサート肺炎 メトトレキサート関連リンパ増殖性疾患 関節リウマチ
Received 19 Oct 2018 / Accepted 29 Nov 2018
後町 杏子
〒204–8585 東京都清瀬市竹丘3–1–1
独立行政法人国立病院機構東京病院呼吸器センター
日呼吸誌, 8(2): 123-127, 2019