喘息とCOPDオーバーラップに合併した気道侵襲性肺アスペルギルス症の1剖検例
九嶋 祥友 清水 泰生 天下井悠佳 内田 信彦 横山 達也 石井 芳樹
獨協医科大学呼吸器・アレルギー内科
症例は73歳男性.喘息とCOPDオーバーラップ(ACO)で加療中,気管支肺炎と喘息重積発作の診断で当院へ転院となった.抗菌薬とステロイドによる加療で改善せず,喀痰培養,血清アスペルギルス抗原検査および気管支鏡での内腔所見より侵襲性肺アスペルギルス症(IPA)が疑われた.抗真菌薬投与と人工呼吸器管理を行ったが第12病日に死亡し,剖検肺より気道侵襲性肺アスペルギルス症と診断された.COPD患者のIPAは,画像診断が困難で死亡率が高く予後不良であり,ステロイド全身投与時は発症に注意が必要である.
侵襲性肺アスペルギルス症 喘息・慢性閉塞性肺疾患(COPD)オーバーラップ ステロイド 気道
Received 4 Sep 2018 / Accepted 26 Nov 2018
九嶋 祥友
〒321–0293 栃木県下都賀郡壬生町北小林880
獨協医科大学呼吸器・アレルギー内科
日呼吸誌, 8(2): 102-107, 2019