非結核性抗酸菌感染症疑いの気管支鏡検査で同菌が検出されなかった症例の経過について
角谷 拓哉a 横村 光司a 明石 拓郎a 矢澤 秀介a 杉山 未紗a 金田 桂a 天野 雄介a 長谷川浩嗣a 松井 隆a 須田 隆文b
a聖隷三方原病院呼吸器センター内科
b浜松医科大学内科学第二講座
画像上,非結核性抗酸菌(nontuberculous mycobacteria:NTM)症が疑われ,気管支鏡検査を行ったが同菌が検出されなかった症例のうち,検査後2年以上観察可能であった52例の画像や症状の推移,NTM検出の有無などを後方視的に検討した.68(24~124)ヶ月の観察中に症状は6例,画像は12例で悪化,13例で気管支鏡が再検されたがNTMの検出はなく,検出例は喀痰からの2例であった.画像や症状が増悪する場合に気管支鏡を再検してもNTMが検出される可能性は高くなく,喀痰で陽性とならなければNTM症以外の病態を考える必要があるかと思われた.
Received 27 Jun 2018 / Accepted 18 Dec 2018
角谷 拓哉
〒433–8558 静岡県浜松市北区三方原町3453
聖隷三方原病院呼吸器センター内科
日呼吸誌, 8(2): 91-96, 2019