びまん性陰影を呈しランダム皮膚生検で速やかに診断,治療できた血管内リンパ腫の1例
森川 昇a 土谷美知子a 味水 瞳a 中西 陽祐a 坂口 才a 長坂 行雄b
a洛和会音羽病院呼吸器内科
b同 京都呼吸器センター
73歳女性.労作時呼吸困難で受診した.びまん性に均質なすりガラス陰影と軽度の拘束性換気障害を認めた.Crackles,蜂窩肺は認めずKL-6も正常であった.肺高血圧を認めたが肺血流シンチグラフィで陰影欠損を認めず.肺胞領域を侵す肺血管疾患を疑い,CRP,LDHの著しい高値より血管内リンパ腫と考え,第3病日のランダム皮膚生検で診断を確定した.ただちに化学療法を行い,良好な反応を得た.診断困難で予後不良とされる疾患だが,肺胞領域の血管の悪性疾患を疑い,診断,治療に至った.
血管内リンパ腫 びまん性すりガラス陰影 ランダム皮膚生検 労作時呼吸困難 肺血管疾患
Received 10 Oct 2017 / Accepted 13 Sep 2018
森川 昇
〒607–8062 京都府京都市山科区音羽珍事町2
洛和会音羽病院呼吸器内科
日呼吸誌, 8(1): 76-80, 2019