ランソプラゾールによる薬剤性肺障害の1例
a京都第二赤十字病院呼吸器内科
b京都民医連第二中央病院往診センター
c京都城南診療所内科
症例は63歳,男性.十二指腸癌手術の際にランソプラゾール(lansoprazole)内服を開始し,約2ヶ月後,乾性咳嗽と労作時呼吸困難が出現した.胸部CT画像上,両側上葉優位にすりガラス様陰影を認めた.BALFで,リンパ球優位の細胞数増加を認め,また,DLSTが陽性で,経過や検査所見より,ランソプラゾールによる薬剤性肺障害と診断した.ランソプラゾールは処方頻度の高い薬剤の一つで,安全性も高いが,稀に薬剤性肺障害を認め,注意が必要と考えられ,報告する.
ランソプラゾール 薬剤性肺障害 気管支肺胞洗浄液 薬剤リンパ球刺激試験
Received 14 Jun 2018 / Accepted 10 Oct 2018
長谷川 功
〒602–8026 京都府京都市上京区釜座通丸太町上ル春帯町355–5
京都第二赤十字病院呼吸器内科
日呼吸誌, 8(1): 47-51, 2019