肉芽腫が混在し診断に苦慮した肺原発リンパ上皮腫様癌の1例
冨田 洋樹a 土方 寿聡a 柘植 彩花a 早川 美帆a 川浪 匡史a 西尾 昌之b
a名古屋第二赤十字病院呼吸器内科
b大同病院呼吸器内科
症例は43歳女性.胸部異常陰影を指摘され当院紹介受診となった.肺癌を疑い経気管支肺生検を施行したが,類上皮細胞肉芽腫を認めるのみであったため外科的肺生検を追加した.永久標本では,リンパ球浸潤を伴った腫瘍性病変がみられ,内部には肉芽腫が散見された.腫瘍はEpstein-Barr virusの関連が判明し,肺原発リンパ上皮腫様癌と診断した.肉芽腫を形成する原因は多岐にわたるため,個々の症例に応じた適切な精査を追加する必要がある.
Epstein-Barr virus リンパ上皮腫様癌 非乾酪性類上皮細胞肉芽腫 サルコイド様反応
Received 18 May 2018 / Accepted 2 Nov 2018
冨田 洋樹
〒466–8650 愛知県名古屋市昭和区妙見町2–9
名古屋第二赤十字病院呼吸器内科
日呼吸誌, 8(1): 31-35, 2019