乳房転移巣からの再生検によりEGFR T790M変異が確認された若年者肺癌の1例
香川労災病院内科
35歳女性.慢性咳嗽を主訴に近医を受診し,右大量胸水を指摘され当院に紹介となった.造影CTにて右乳房に境界不明瞭な造影効果と右腋窩リンパ節の腫大を認めた.胸水細胞診と乳房針生検組織診の結果,EGFR遺伝子変異陽性肺腺癌,乳房転移と診断した.ゲフィチニブ(gefitinib)による1次治療,さらに殺細胞性抗癌剤による2次治療を行ったのち,乳房転移巣からの再生検によりT790M変異を確認した.3次治療としてオシメルチニブ(osimertinib)を投与し奏効が得られ,良好な全身状態を維持することができた.
Received 14 Jun 2018 / Accepted 25 Oct 2018
丸川 將臣
〒763–8502 香川県丸亀市城東町3–3–1
香川労災病院内科
日呼吸誌, 8(1): 21-25, 2019