局所麻酔下胸腔鏡で診断した,術後19年経過し顕在化した腎細胞癌の肺・胸膜転移の1例
城 幸督a 扇谷 昌宏a 島田 昌裕a 守尾 嘉晃a 木谷 匡志b 瀬口 健至c
a国立病院機構東京病院呼吸器センター
b同 病理診断科
c同 泌尿器科
症例は78歳女性.59歳時に左腎癌で腎切除術の既往があった.咳嗽と労作時呼吸困難で前医を受診し,左胸水と胸膜に多発する隆起性病変を指摘され当院へ紹介入院となった.局所麻酔下胸腔鏡検査では壁側胸膜に白色隆起性病変を認め,生検を施行した.病理組織所見は19年前の腎癌の組織と形態学的に類似しており,腎癌の肺・胸膜転移と診断した.遅発性再発は腎細胞癌の特徴であり,手術の既往があれば切除後年数にかかわらず,その転移を常に鑑別に挙げる必要があると考えられた.
Received 8 Aug 2018 / Accepted 10 Oct 2018
城 幸督
〒204–8585 東京都清瀬市竹丘3–1–1
国立病院機構東京病院呼吸器センター
日呼吸誌, 8(1): 6-10, 2019