ニューモシスチス肺炎治療後に診断された臨床的無筋症性皮膚筋炎の1例
三ツ井美穂a 安斎 正樹a 園田 智明a 島田 昭和a 長谷川 稔b 石塚 全a
a福井大学医学部附属病院呼吸器内科
b同 皮膚科
症例は47歳,女性.前医にて成人スチル病と診断され,ST合剤の予防投与なく,高用量経口プレドニゾロン(prednisolone:PSL)が4週間投与された.ニューモシスチス肺炎(PCP)を発症し,呼吸不全のため当科へ救急搬送された.入院後ST合剤投与によりPCPは改善したが,皮膚所見が顕性化した.抗MDA5抗体が陽性で,成人スチル病ではなく間質性肺炎を合併した臨床的無筋症性皮膚筋炎(CADM)と診断した.診断前のステロイド投与によって,CADMの経過が修飾されたが,ステロイドの早期投与とタクロリムス(tacrolimus)の追加投与によって,CADMの病勢は良好にコントロールされた.
臨床的無筋症性皮膚筋炎 間質性肺炎 抗MDA5抗体 ニューモシスチス肺炎 タクロリムス
Received 13 Mar 2018 / Accepted 12 Jul 2018
石塚 全
〒910–1193 福井県吉田郡永平寺町松岡下合月23–3
福井大学医学部附属病院呼吸器内科
日呼吸誌, 7(6): 399-403, 2018