
第Xa因子阻害薬,エドキサバンの内服中に破裂した末梢性肺動脈瘤の1例
眞水 飛翔 大坪 亜矢 田中 知宏 太田 毅 古川 俊貴 石田 卓士
新潟県立中央病院呼吸器内科
症例は80歳男性.1年前よりエドキサバン(edoxaban)を内服していた.定期検査の胸部単純X線写真で右下肺野にすりガラス影を指摘されたが無症状だった.1週間後に喀血が出現し,胸部CTで右中葉に造影剤で濃染される結節を認めた.気管支動脈造影で右下肺野に13mm大の動脈瘤を認め,喀血は肺動脈瘤の破裂によるものと診断した.その原因として抗凝固薬の関与が推測された.抗凝固薬として投与されていた薬剤が比較的出血リスクの低い第Xa因子阻害薬であったため,出血は緩徐に持続するにとどまったと考えられた.
Received 9 Mar 2018 / Accepted 28 Jun 2018
眞水 飛翔
〒943–0192 新潟県上越市新南町205
新潟県立中央病院呼吸器内科
日呼吸誌, 7(5): 338-341, 2018