多発血管炎性肉芽腫症・気管気管支軟化症経過中にサンゴ状の気管支結石を認めた1例
今村 充* 清水 寿顕 佐々木 欧 原田 広顕 土肥 眞 山本 一彦
東京大学医学部附属病院アレルギーリウマチ内科
*現所属:聖マリアンナ医科大学リウマチ・膠原病・アレルギー内科
症例は75歳女性,経過15年の多発血管炎性肉芽腫症.4年前より気管および左主気管支に気管気管支軟化症あり,経口ステロイドおよび免疫抑制剤で管理していたが,慢性気道感染を合併していた.胸部単純CTで左上葉気管支内に石灰化を伴う病変および左肺舌区の無気肺あり,気管支鏡で左second carina内腔に突出するサンゴ状の石灰化結節を認め,鉗子にて摘出した.病理で表層周囲に石灰化を伴う硝子軟骨を認め,気管支結石と診断した.結石の経時的な増大を観察しえた貴重な症例と考えられた.
Received 27 Nov 2017 / Accepted 22 May 2018
今村 充
〒113–8655 東京都文京区本郷7–3–1
東京大学医学部附属病院アレルギーリウマチ内科
*現所属:聖マリアンナ医科大学リウマチ・膠原病・アレルギー内科
日呼吸誌, 7(5): 332-337, 2018