多彩な肺病変を呈し肺MAC症による喀血を認めたシェーグレン症候群の1剖検例
伊藤 俊輔a 大塚 葵a 井上 玲a 星 加奈子a 平居 義裕a 金子 猛b
a独立行政法人労働者健康安全機構関東労災病院呼吸器内科
b横浜市立大学大学院医学研究科呼吸器病学教室
症例は77歳女性,胸腺原発粘膜関連リンパ組織型節外性辺縁帯リンパ腫(胸腺原発MALTリンパ腫),肺アミロイドーシス,シェーグレン症候群で関東労災病院に通院していた.20XX-4年に肺MAC症の診断で呼吸器内科紹介,内服加療を開始したが聴力低下等の有害事象が出現したため,その後経過観察となっていた.20XX年7月に喀血を認め挿管管理となった.気管支動脈塞栓術を施行し,喀血は一時改善したが人工呼吸器関連肺炎を合併し,第12病日に永眠され,剖検を行った.多彩な肺病変を有し,11年という経過を画像的に追えた貴重な症例であると考え,文献的考察を加え報告する.
Received 16 Nov 2017 / Accepted 14 May 2018
伊藤 俊輔
〒211–8510 神奈川県川崎市中原区木月住吉町1–1
独立行政法人労働者健康安全機構関東労災病院呼吸器内科
日呼吸誌, 7(5): 325-331, 2018