ニボルマブで治療を行ったTrousseau症候群合併肺腺癌の1例
藤田 浩平 中尾 心人 荒川 総介 酒井 祐輔 鈴木 悠斗 村松 秀樹
JA愛知厚生連海南病院呼吸器内科
症例は59歳男性.20XX-1年5月に頸部リンパ節腫大にて当院紹介.胸部CTにて左肺上葉結節影,頸部および縦隔リンパ節腫大を認め,左後頸部リンパ節生検にて肺腺癌と診断.同年6月からカルボプラチン(carboplatin:CBDCA)+ペメトレキセド(pemetrexed:PEM)併用療法,のちにPEM単剤療法にて治療を行った.同年11月に脳梗塞を発症し,肺腺癌によるTrousseau症候群と診断.ヘパリン(heparin)皮下注射を行いつつ20XX年1月からニボルマブ(nivolumab)を開始し,約11ヶ月間にわたり病勢コントロールができた.Trousseau症候群は予後不良との報告が多く,貴重な症例と考え報告する.
Received 31 Mar 2018 / Accepted 6 Jul 2018
中尾 心人
〒498–8502 愛知県弥富市前ヶ須町南本田396
JA愛知厚生連海南病院呼吸器内科
日呼吸誌, 7(5): 316-320, 2018