びまん性肺胞出血をきたした血管肉腫肺転移の1例
尾下 豪人 磯山 正子 由田 彩佳 大﨑 慶子 川﨑 広平 奥崎 健
三原市医師会病院内科
症例は85歳男性.背部皮下腫瘤と血痰を主訴に精査入院した.胸壁,椎骨,腸骨に骨破壊を伴う腫瘍が多発しており,左下背部胸壁腫瘍からの経皮的針生検にて血管肉腫と診断した.また,両側肺野末梢に小結節とすりガラス陰影の混在を認め,気管支鏡検査で血管肉腫肺転移および肺胞出血と診断した.血管肉腫はきわめて稀な悪性腫瘍だが,肺病変を生じると高頻度に肺胞出血を起こすため,その原因として覚えておくべき疾患である.
Received 30 Mar 2018 / Accepted 31 May 2018
尾下 豪人
〒723–0051 広島県三原市宮浦1–15–1
三原市医師会病院内科
日呼吸誌, 7(5): 301-305, 2018