レジオネラ肺炎に対する急性期ステロイド使用効果の検討
徳安 宏和 武本 祐 池内 智行 石川総一郎 酒井 浩光 中﨑 博文
松江赤十字病院呼吸器内科
市中発症レジオネラ肺炎治療における急性期ステロイド使用の有効性について,過去の症例報告を後方視的に検討した.医学中央雑誌で,2000年1月より2016年12月の期間で検索した市中発症レジオネラ肺炎の症例報告で,肺炎重症度と転帰と在院日数の確認が可能であった81例を対象とした.死亡群と生存群の比較でステロイド使用率に差はなく,在院日数長期群は短期群に比べてステロイド使用が多く,ロジスティック回帰分析によって在院日数に関連する因子としてステロイド使用とCRP高値が規定された.レジオネラ肺炎治療に急性期ステロイド使用は有効ではなかった.
Received 31 Jan 2018 / Accepted 15 May 2018
徳安 宏和
〒690–8506 島根県松江市母衣町200
松江赤十字病院呼吸器内科
日呼吸誌, 7(5): 281-287, 2018