濾胞性リンパ腫と同時に発見され,化学療法後に増悪したサルコイドーシスの1例
北岡 有香a 森島 祐子a 吉田 和史a 坂下 信悟b 千葉 滋c 檜澤 伸之a
a筑波大学医学医療系呼吸器内科
b同 診断病理学
c同 血液内科
35歳女性.頸部リンパ節,縦隔リンパ節,腹腔内リンパ節,鼠径リンパ節腫大と左肺上葉の腫瘤影を認め,鼠径リンパ節生検から濾胞性リンパ腫,肺腫瘤生検からサルコイドーシスと診断した.濾胞性リンパ腫に対してベンダムスチン/リツキシマブ(bendamustine/rituximab)併用化学療法を施行したところ,肺腫瘤影と左頸部リンパ節など多数のリンパ節が著しく増大した.再度,頸部リンパ節を生検し,非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を認めたことから,サルコイドーシスの増悪と考えた.化学療法終了後無治療で2年が経過し,リンパ節と肺腫瘤影はともに縮小傾向である.
Received 12 Jan 2018 / Accepted 4 Apr 2018
森島 祐子
〒305–8575 茨城県つくば市天王台1–1–1
筑波大学医学医療系呼吸器内科
日呼吸誌, 7(4): 240-244, 2018