セツキシマブと放射線療法の併用により間質性肺炎を発症した下咽頭癌の2例
吉川 匠 大塚 満雄 池田貴美之 高橋 知之 山田 玄 高橋 弘毅
札幌医科大学医学部呼吸器・アレルギー内科学講座
抗EGFRモノクローナル抗体セツキシマブと放射線療法の併用により間質性肺炎を発症した下咽頭癌の2例を経験した.症例1の78歳男性は,肺障害は器質化肺炎型で,ステロイド治療により改善した.症例2の77歳男性は,びまん性肺胞傷害型で,ステロイドパルス療法と人工呼吸管理により一時は改善に向かうも,細菌性肺炎と気胸を合併し死亡した.2例とも発熱,炎症反応,SP-D上昇を認めた.頭頸部癌におけるセツキシマブに関連する間質性肺炎の発症率は大腸癌よりも高く,放射線療法併用は発症リスクとなることが示唆された.
セツキシマブ 薬剤性肺障害 間質性肺炎 頭頸部癌 放射線療法
Received 26 Aug 2017 / Accepted 9 Mar 2018
吉川 匠
〒060–8543 北海道札幌市中央区南1条西16
札幌医科大学医学部呼吸器・アレルギー内科学講座
日呼吸誌, 7(4): 234-239, 2018