気管支内にポリープ状の腫瘤として発見された多形癌の1例
平田 一記 青野 英幸 梶田 明裕 白石 直敬 森岡 崇 徳山 猛
済生会中和病院内科
78歳男性.呼吸困難と咳嗽を主訴に当院を受診した.来院時の胸部造影CTにて右主気管支内に腫瘤影を認め,気管支鏡検査にて右上葉支から右主気管支内に進展するポリープ状の腫瘍を認めた.高周波スネアを用いて気管支鏡下腫瘍切除術を施行した.病理組織所見では紡錘細胞と巨細胞が混在しており,多形癌と最終診断した.放射線治療を追加施行し,再発なく経過していたが,治療後6ヶ月で同部位に一部腫瘤影を認め,腫瘍の再発が疑われた.気管支鏡下腫瘍切除術および放射線治療が症状の緩和と腫瘍の局所制御に有用であった.
多形癌 紡錘細胞癌 肉腫様癌 気管支内腫瘍 気管支鏡下腫瘍切除
Received 28 Feb 2018 / Accepted 2 May 2018
平田 一記
〒633–0054 奈良県桜井市阿部323
済生会中和病院内科
日呼吸誌, 7(4): 220-223, 2018