スケドスポリウム属によるステント腐生により喘息様症状を呈した1例
大江 崇 平野 泰三 小荒井 晃 市川 朋宏 佐藤 輝幸 一ノ瀬正和
東北大学大学院医学系研究科内科病態学講座呼吸器内科学分野
症例は気道ステント留置歴のある76歳女性.繰り返す喘鳴発作から喘息と診断され,全身ステロイドによる加療が行われてきた.20XX年-2ヶ月より,喘鳴が頻回となった.気管支鏡検査にて左主気管支に,粘膜に覆われたステントと複数の白色物質の付着を認めた.培養検査にてScedosporium apiospermumが同定され,同菌によるステント腐生と診断した.スケドスポリウム属は,多彩な病型を呈することが知られているが,中枢気道に発症した報告は稀であり,ここに報告する.
スケドスポリウム属 気道ステント 喘息 Scedosporiosis
Received 2 Dec 2017 / Accepted 8 Feb 2018
平野 泰三
〒980–8574 宮城県仙台市青葉区星陵町1–1
東北大学大学院医学系研究科内科病態学講座呼吸器内科学分野
日呼吸誌, 7(3): 187-191, 2018