喘息を契機に診断した成人の先天性気管狭窄症の1例
佐藤 友英a 佐藤 千春a 林 光恵b 山崎 智久b 塚本 浩c 角 勇樹d
aむつあい内科クリニック
b新渡戸記念中野総合病院内科
c藤沢市民病院放射線科
d東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科
症例は23歳男性.上気道炎症状にて受診し,聴診にて両側肺にwheezesを聴取し,喘息発作の診断にて吸入ステロイド(ICS)+長時間作用性β2 刺激薬(long-acting β2 agonist:LABA)にて治療開始.その後は症状改善したが,8ヶ月後に胸部痛にて再度受診.胸部単純X線写真にて異常が疑われCT検査を施行.右気管気管支と気管狭窄,完全気管輪,肺動脈スリングを認めたため先天性気管狭窄症と診断した.成人での発見は非常に稀であり,わが国でも数例の報告のみである.貴重な症例と考え報告する.
先天性気管狭窄症 完全気管輪 肺動脈スリング バーチャル気管支鏡ナビゲーション
Received 26 Sep 2017 / Accepted 1 Mar 2018
佐藤 友英
〒252–0813 神奈川県藤沢市亀井野2–10–13
むつあい内科クリニック
日呼吸誌, 7(3): 182-186, 2018