マクロライド療法無効のびまん性汎細気管支炎様病態を呈したGood症候群の1例
清水 理光 齋藤 好信 三浦由記子 峯岸 裕司 吾妻安良太 弦間 昭彦
日本医科大学大学院医学研究科呼吸器内科学分野
50歳女性.重症筋無力症・胸腺腫の診断で胸腺摘出術後,放射線化学療法,およびステロイド,免疫抑制剤治療中であった.診断から約5年後,湿性咳嗽と,胸部造影CTでは両側肺野に小葉中心性の粒状影の出現を認めた.HLA-B54遺伝子は陰性であり,低γグロブリン血症,B細胞数低下を伴っている点がびまん性汎細気管支炎(diffuse panbronchiolitis:DPB)と合致しなかったため,DPB様の病態を合併したGood症候群と診断した.本症例のようにマクロライド療法無効な症例は稀であるため報告する.
Good症候群 低γグロブリン血症 びまん性汎細気管支炎 HLA-B54遺伝子 マクロライド療法
Received 27 Jul 2017 / Accepted 13 Feb 2018
清水 理光
〒113–8603 東京都文京区千駄木1–1–5
日本医科大学大学院医学研究科呼吸器内科学分野
日呼吸誌, 7(3): 171-176, 2018